日野市まちと空き家の学校 > News > レポート > まちと空き家の学校 実習1 開催レポート

まちと空き家の学校 実習1 開催レポート

2021年11月20日、「まちと空き家の学校」が開校(開講)しました!午後は、「実習1 空き家の現場を見学し、何ができるか考えよう」をテーマに、3件の活用事例、活用予定事例を見学しました。

本実習では、異なるステージ実際の空き家の様子や活用者の方などの話を聞いて、空き家活用の具体的イメージを持ったり、実践されている方の声から、空き家活用のポイントなどを体感するというのが目的です。

また、空き家活用すごろくで、どのステップにあるかなどを考えながら見学していきました。

①浅川リバーハウス(日野市西平山2-9-30)

浅川リバーハウスは、既に活用している事例として見学を行いました。ここまでに至る経緯や運営のポイント等に運営代表の壷井あゆみさんからお話をうかがいました。

(壷井さんのお話)
自宅も近くにあり、地域に空き家が多いことに気づきました。歩いていたらこの空き家に出会い、市のマッチング制度でちょうどリストに入っていたので申込みました。大家さんとお話させてもらいながら、2018年に使わせていただくことになりました。地域の方が「役割と仕事」を持てる場所、小さなお金もしれないけれど仕事をして、「人にありがとう」と言ってもらえる場所にしたいと活動しています。収益をあげ、運営費が出せる道を模索しています。

住宅街なので地域との関係を大事に、地域のイベントなどに積極的に参加して、自分たちのことを知ってもらいながら信頼関係を築いてきました。サポーターも増えてきました。

開始時には、日野市の改修の助成金を40万ほどいただいて、ダイニングの床を半分張り替えたり、エアコンの付け替えを行いました。トイレは大家さんが修繕下さいました。そのこともあり、2年目からお家賃をお支払いしています。それ以外は、ペンキは自分たちで塗るなどお金はかけずに、10か月くらいはリフォームなどにかけました。またオープンしてから、「縁側をつくるイベント」などを仕掛けながら、整備してきました。

壷井あゆみさん

2Fからは浅川が見渡せ、映画やドラマのロケによく使われます。映画やドラマのロケ現場になることも多く、日野市の映像支援隊さんから紹介をいただいて、場所を貸しています。お家賃くらいにはなるし、知名度をあげるうえでも助かっています。

大家さんとコミュニケーションをとることを大事にしています。映画のロケも、最初はNGでしたが、すごく有名な脚本をいただいて、OKをいただくことができたという経緯もあります。イベントのときには大家さん席を準備してお呼びしています。

2F窓からの眺め

コロナ禍もありますが、去年は地域の方々の展覧会を開催するなど、週末にイベントを組むようにしています。スマホ教室などもやっています。

毎週木曜日は、地元のお野菜を販売し、いろいろな情報交換ができる場にしたいと地域に公開しています。おかげさまで、いろいろなお話をしていただけるようになり、地域に溶け込んで協力しあげる体制ができてきています。

②活用中及び活用募集中のアパート(日野市南平2-61-26)

南平のアパートは、活用者募集中の部屋及び活用されている事例として見学を行いました。両親より相続したアパートの活用を模索していたところ、市のマッチング制度に登録して、今に至っています。

現在は、1室が絵画教室で活用されており、3室が未利用で活用者募集中です。活用に当たっては、住宅地ということで、夜遅くまで使用しないなど、近隣へ迷惑をかけない活用ということもポイントとなっています

既に活用されている1Fの1室は、絵画教室として週2回、利用されています。リフォームは20-30万程度で、床と照明、壁のペンキ塗り、大家さんの許可を得てのエアコンの取り換えを行ったそうです。

2Fは活用者募集中で、かなりきれいな状態の和室と、自由に改修してよいというお部屋を見学しました。自由に改修してよいというお部屋に対しては「逆にそれが楽しいかも!」という受講生の声もありました。

改修自由のお部屋

③地域向けの食堂、ふれあいサロン開始予定(東豊田1-29-4)

東豊田の事例は、活用に向けて準備段階の事例として見学しました。
2016年に立ち上げた、(一般社団法人)共に働くワーカーズえんこらしょが、事務所を置きながら、地域向けの食堂などを行う予定で、2022年4月のオープンに向け、準備を進めています。代表の古池さんにお話をうかがいました。

空き家活用の準備の状況を実際に間近に見られ、また、小池さんから聞かせていただいた具体的な大家さんとのやりとりの経緯や、空き家活用への想い、また、具体的な回収費用のお話などは空き家活用をイメージするヒントとなりました。

(古池さんのお話)
当初は平山の空き家に事務所を置いていましたが、大家さんの都合で2年で退去することとなり、再度空き家を探していました。何度となく都市計画課に足を運び、今回紹介いただきました。そもそも、一番最初に紹介いただいた空き家でもあり、ご縁を感じています。今回、日野市でもはじめてのケースとして、えんこらしょが代表で借りて、高齢者の居場所づくりをしているふれあいサロン運営団体にある時間帯をお貸しする、シェア活用をすることになりました。

10月に契約し、大きな荷物は、同じく空き家を活用して事業を展開されているイエノコモノさんに引き取っていただき、残りは5人で1日5時間、3日間かけて片付け終わったところです。

改修は1月半ばから1か月くらい、3月に引っ越して、4月に開始予定です。
キッチンの床が傷んでいたので、洗面所を含めて床の張り替え、コミュニティカフェを目指しているので、シンクも2層が必要など、家の中の改修は業者さんにお願いする予定です。自分たちでもトタンを張り替えたり、入口も壁がくらいので漆喰を一回楽しみながら縫ってみようかと話しています。

改修費用は、200万ほどかかる見込みで、2/3が市の補助金、残り1/3は自己負担となります。旧耐基準の建物だが、平屋であることがよかったのか耐震診断も問題がなく、その部分の改修費用がかからなかったのが幸いでした。

大家さんが今まで使ってきた家を、この人たちなら大事に使ってくれるんだなと思ってもらえるように、そんな活動をしていくことが一番必要と考えています。

カフェを開くにあたっては、保健所への申請、許可も必要です。庭を活用した菜園なども計画されているそうです。

④受講生の皆さんの感想

受講した皆さんからは、多くの感想が寄せられました。

・大家さんの理解が大変重要だとわかった。
・現地を実踏してみて、物件オーナーさんとのコミュニケーションが大切であることが大変よくわかった。
・大家さんとの関係性の重要度、立地、できることなど、総合して考えないといけないことがわかった。
・見学に行った3か所とも全く印象が違って、本当にケースバイケースだということがよくわかりました。
・実例として運営されている三社(者)のお話を伺う中で、少し現実が見えてきたのが、大変参考になりました。空き家を貸していただける期間の中での事業計画を考え、大家さんとご近所さんとしっかりコミュニケーションを取り、信頼を得て運営する大切さを学びました。
・とても良い物件なのにびっくりした。建物の持っているポテンシャルが高かった。
・実習で空き家の現実を知りました。空き家をイメージできていないかったので、見学はショックでしたが、よい勉強になりました。そして、どのように復活させ、命を吹き込むか(絵画教室には新しい命を感じました)に向けて、やる気がわきました。
・子ども食堂をしたい方はたくさんいるようですが、保健所への申請など実施までにいろいろと調べなければいけないこともわかりました。
・少しハードルがあがったところもあります。できる範囲でやってみようというのがよいところなので、少しジレンマです。
・初期費用と契約年数の損益分岐点とか、継続ランニングコストの捻出をどうするか等、課題と思いました。
・思い通りの空き家活用ができることは、人と人とのつながりが大切なこともよくわかり、運も大きいかなと感じました。
・多角的に状況を判断できないと継続にはつながらない。今回出会えた人が相互につながれると、自分にとっては良い結果になるのではと思った。
・改めて地域活動やボランティアへの参加が地域のつながりを作ることに必要だなと思いました。「浅川リバーハウス」では仕事を作って利益を生み出しているのがとてもすごいと思いました。

・場所、金銭面など色々ありますが、一番大切なことはお互いの気持ちだということを勉強しました。

午前の部、「まちと空き家の学校 講義1」はこちらから