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公開シンポジウム開催レポート②

②日野市の事例紹介・参加者の声

”まちの資源である空き家について考えてみよう”をテーマに、2021年9月11日、「まちと空き家の学校」公開シンポジウムを開催しました。開催レポート②では、第3部の様子と、ご参加者の感想を紹介します。

第3部では空き家を活用中の皆様からの事例発表とブース展示を行いました。

①染め織り道具SHIRO./古材小道具KON. (高畑勝さん)
百草地区で古道具や織り機等の販売を行っています。もとは日野駅にお店がありましたが、地域活動のつながりの中で、こんな空き家があるよ、と紹介いただき、市役所に相談に行ったところ、家主さんにつないでいただきました。

文化住宅の4棟のうち2棟が5年くらい空き家になっていて、今からリフォームして誰かに貸しても採算があわない。けれど4棟中2棟が空き家の状態よりはと、固定資産税+αくらいで貸していただけるというお話になりました。

ただ、(それまで駅前の路面店で展開していた)商売でお借りしようとしたので、2つ後ろには牛小屋があるようなところで商売できるのか、家賃を払っていけるのかと家主さんから心配されました。今の時代、インターネットもあり、場所を問わず商売ができるはずと考えていましたが、信用していただくために、事業計画の簡単なものをご提示するなど、努力しました。そうしましたら、最初の半年間は1棟分の家賃で2棟貸していただくなど、家主さんとの信頼関係が生まれてきました。

お借りしてから、外装と内装の塗り替え、全体的に高圧洗浄機で清掃するなど、自分たちでDIYリフォームしました。

当初は、地域とのつながりを意識していたわけではないのですが、家主さんの竹林のタケノコ堀をイベントとして企画したり、家主さんが持っている畑で収穫体験を企画するなど、家主さんとの信頼関係の中で、地域とのつながりが増えています。またシロ&コンは、百草の散策路の途中に位置しており、トイレがないのがネックになっていると市役所から相談があり、お店がやっている時間はトイレを解放することにしました。軒先で、近くの野菜販売も行っています。今は、商売の場所ということだけでなく、地域とのつながりを意識しながら、楽しみながらやっています。

②浅川リバーハウス (壷井あゆみさん)
西平山地区の浅川リバーハウスをつくるまでの経緯を簡単にご紹介します。自分が年を取ったとき、いくつになっても人とのかかわりをもちながら、自分の住んでいる地域でやることがあるのが健康だと考え、地域のいろんなことに参加していました。その中で、地元にあるいいもの、価値、そのひとつが空き家であると気づきました。気になる空き家が1軒あったのですが、市のまちの事業説明会に出たときに候補に入っており、大家さんを紹介いただきました。川沿いの一軒家であり、「川の家」というイメージで、「浅川リバーハウス」ー役割と仕事をつくる場所ーと名付けています。

何をやっているかといえば、皆さんがやりたいことを一緒にやっています。コンサート、ハロウィン、展覧会、ふつうの打合せ、映画撮影に使っていただいたりもしています。先ほど(本日のご参加者の方から)「(このお写真)楽しそうね」と言っていただいたのですが、食事会を開いて、一緒にご飯を食べたりもしています。

毎週、木曜日11時からをオープンデイとして、必ず開館しています。地元のお野菜を売ったり、スマホ・パソコンの相談会、小型家電の修理も受け付けています。地域にいらっしゃる技術をお持ちの方にやってもらう窓口となっている形です。

日野市の(まちの活動者と空き家の)マッチングシステムのおかげで、やりたいことができています。

(日野市より)
浅川リバーハウスさんの活動から、事前に、地域の自治会やイベントに参加するなどして、地域を知り、地域の方とつながりをつくることはとても重要だということをお伝えしています。

③ふれあいサロンアムール(都市計画課 北里主任より紹介)
平成30(2018)年より、平成地区で活動しているふれあいサロンアムールを紹介します。アムールは多摩モノレール沿いから明星大学に登る、坂の途中にああります。そもそもは、地区センターがその坂(丘陵部)の頂上付近にあり、高齢者が集いにくいということ、地域に空き家が増えていることから、市役所に相談をいただいたものです。

地域の皆様、明星大学の学生さん、市役所も加わってのワークショップなどを経て、最終的にふれあいサロン開催を決定しました。週4日の高齢者サロン活動、ひの筋体操、大学生も加わった活動などをしていました。現在のコロナ禍でもサロン活動、日野筋体操(日野健康貯金体操)などを人数制限しながら続けています。またアムールの看板は地域の方の手作りです。昨年のハロウィンには14か所のご協力、100名もの参加者が集まりました。

オーナーさんから、貸していただけるのは当初は2年間と言われていましたが、活用の皆様からの丁寧な報告やコミュニケーションがあり、3年経過した今でも活動を続けることができています。

④杉の子ひろば(都市計画課 北里主任より紹介)
饗庭先生の基調講演で紹介された、武蔵野台地区で、家を取り壊したあとの空き地を地域の広場として開放している事例です。2015年から地域の方々とまちをよくするワークショップを重ねた結果、2017年に杉の子ひろばという形で空き地が整備されました。砂利は地域の人が掃除で集めたもので、菜園も手作りです。先生のお話にもありましたように、子供向けのイベントなども開催しています。

このほか、空き家活用すごろくの紹介ブースや、空き家活用相談コーナーが設けられ、来場の皆さんからのご質問が多数寄せられていました。

ご参加者からの感想

 ご参加者から、多数の感想をいただきました。シンポジウムのテーマであった「空き家=資源」に気づいたというご意見、家主と借主の「信頼関係」の重要性を認識したというご意見、空き家を活用した「居場所づくり」へのご意見、また「日野市の取組」に対しても、多くの賛同の声が寄せられました。
 運営面に関しては、オンライン(YouTUBE)中継に対し、よかったというお声の反面、市としてもはじめての試みであったことから、改善を要望する声も寄せられました。

(アンケート、自由回答一部抜粋)
〇空き家=資源
・空き家は大事な地域資源なのですね。
・地域のコミュニティ作りの為に空き家を活用して、と言うのは新鮮で、将来性があるこれからの取り組みだと思いました。
・地域の空き家が地域の必要の場になったら素敵な循環が生まれると思いました。
・貸す方、借りる方、活用する方、皆が楽しめたらとてもいいまちづくりができるのではないかと思いました。
・空き家の活用により、その地域の方々とも深く関りができることにも興味深かったです。
・自分自身やみんなが豊かに暮らしていくには、今暮らしている(子ども時代生まれ育った)日野市のまちが豊かになることが大切なのだと感じました。
〇信頼関係
・空き家と利用者の関係性、信頼関係が重要であることを実感できた。
・家主さんとの関係の重要性の認識。
〇居場所づくり
・空き家で居場所づくりをしたいと思っていたのでとても勉強になりました。
・今までは活用を中心に考えなかったけど、多方からの見方に気づきをもらいました。
・0才から100才までつどえるような場をつくりたいと考えています。これに参加してやる気がわいてきました。ぜひ実現したいと思います。
〇日野市の取組
・日野市の空き家に関する現状を知ることができて、非常に面白かった。
・日野市は様々な取り組みを行なっていて、素晴らしいと思います。
・近隣市に比べて空き家数は少ないにも関わらず、計画策定からの学校開講と、上手に空き家対策を進めていて、素晴らしいと思います。市職員の方のトーク力の高さにも、驚かされました!お疲れさまでした。
・この事業がかなり進んでいることにうれしく思います
・日野市にも空き家がたくさんあること。市でいろいろ対策を実施していること。

〇オンライン配信
・オンラインで安心安全に公聴できたこと感謝いたします。ありがとうございました。
・You Tube配信がありがたかったです。最後まで拝聴できました。

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